5月も半ばですが少し肌寒い日が続きます。皆さんいかがお過ごしですか。
先日、文具のカタログを眺めていると今年もたくさんの新商品が発売されていることに気が付きました。
しかし、この中から定番品として長く皆さんにご愛用いただける物はほんのわずかでしかありません。
では定番品として長く使われ続ける文具はどのようなものなのでしょうか?
今回はこのことについてご報告いたします。
その前に過去に発売された定番品ではないものの例をあげますと
「おみくじ付きシャープペン」。
かわいいキャラクターの書かれたペン軸から出るおみくじにはピンクの文字で「ラッキーデー」、「おこずかいアップかも」などとムシの良いことが書かれ、小学生を中心に占い好きの女子生徒のハートをガッチリつかんだものでした。
また一時期ブームとなった「ベイブレード」に酷似したベーゴマを回せる「ベイボールペン」は休み時間の男子小学生を熱く燃えさせました。しかし、こういった商品はブームが去るか先生に没収されるかなどしていつの間にか姿を消していきます。
社会人がこのようなペンを使っても上司に没収されることはないでしょうが「おみくじペンのおかげで仕事が順調です。職場全員で使っています。」という話は全く聞いたことがありません。
一方、定番品といわれ現在私の机の上にも置かれている鉛筆、4色ボールペン、電卓の3点は以下のようなものなのです。
日本が世界に誇る定番鉛筆といえば三菱ユニです。
ユニの軸は桧の仲間のインセンスシダーという木材から作られており削るとかすかに木の香りが広がります。
本体の色はユニ色と呼ばれ160色の候補の中から和の海老茶色と洋のワインレッドを選んで混ぜた和洋折衷のオリジナルカラーなのです。
肝心の鉛筆の性能はBの黒さでHの硬さという高品質な芯を使用しているので漢字を書いても英字を書いても滑らかに書け、減りにくくて丈夫です。
ユニは今後、世界中どの鉛筆メーカーも作っていない6Bの黒さで9Hの硬さを持つ究極の鉛筆芯を作ることを目指しているそうです。
鉛筆では三菱に一歩譲ったもののトンボの4色ボールペンも定番品です。
“リポーター4”という4色ボールペンは商品名のとおり記者が取材をするために作られました。
ノック部の形が4色すべて異なっているのでインタビューで相手の話にあいづちを打ちながらボールペンを見ずに手探りだけで色を選べます。
また色を変える際のカチンという音を小さくする工夫もされており
人の話を聞く際に邪魔になる要素を極力減らしているのです。
まさに人の話に耳を傾け続けてきた4色ボールペンです。
以上、普段何気なく自分が使っている商品を改めてじっくり見直してみると定番品と呼ばれ長い期間にわたって多くの方に使っていただいている商品には文具メーカーの工夫やこだわり、そしてサービス精神が詰まっておりました。
「私は作り手の情熱を職人技とハイテクで商品にしたものなんです。」
と訴えかけてくるものが使っていて感じられるのです。
これに対しておみくじペンやベーゴマペンが
「工夫やサービス精神だったら負けません。」と言ってきそうなのですが、これら商品には世の中を明るくしようという心意気を感じますが残念なことに多くの人のニーズがないという致命的な欠点がありました。
しかしバカバカしさも一線を越えると人々に感動を与えることが稀にあります。
ベーゴマやおみくじの付いた文具も、その“芸術性”が評価されイタリア製品のようにアートとして世界を魅了し新たな定番文具となる日が来るかもしれません。
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